キミと生きた時間【完】

「さっきからなに見てんだよ」


あたしの熱い視線に気づいたのか、宇宙君はチラッと横目であたしを睨む。


ヤバッ。気付かれた!!


あたしはニコッと笑ってごまかした。


「そうそう。さっきどうしてひったくられたバッグを取り返そうとしなかったの?宇宙君ってば追いかける気全然ないんだもん」


宇宙君の通う城内高校は男子校で、その指定バッグは女子の間で大人気だ。


城内高校の男の子と付き合っている女の子は必ず彼氏のバッグをもらって誇らしげに持ち歩く。


中古の使い古されたバッグほど価値があり、持っていることはそれだけでメリットが大きい。


最近ではプレミアが付き、ちょっとした高値で取引されると聞いたことがある。


先ほどのひったくり犯ももしかしたらバッグの中身ではなく、バッグが望みだったのかもしれない。
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