キミと生きた時間【完】
「この公園には何度も来てるけど、こんなにたくさんのこいのぼりを見たのは初めてだよ」
「今年から始まったって聞いた」
「そっかぁ。どうりでみたことがないはずだよね」
大きさも色も違うたくさんのこいのぼりが風に揺られて泳いでいるみたい。
大きいこいのぼりのおびれは時々野原すれすれを通る。
幼い子はその尾びれに触ろうと必死になっている。
それを真横で見て顔を見合わせて微笑んでいる両親。
その両親の笑顔に何故か胸が締め付けられる。
あの子と同じぐらいの年の頃のあたしは、お父さんとお母さんの自慢の子でいられていたのかな?
幼稚園でかけっこが一等賞になった時、お父さんもお母さんも泣いて喜んでいた。
お遊戯会で主役に抜擢された時、お父さんは仕事を休んで観に来たし、お母さんは衣装づくりに気合を入れて毎晩徹夜していた。
あの頃は……お父さんとお母さんの自慢の娘だったはず。
じゃあ、今のあたしはどう?
あたしが学校でろくに話す相手もいないと知ったら、
お父さんとお母さんの笑顔を壊してしまうんだろうか。
自慢の娘ではなくなってしまうかな……?