オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
「え?凛子から聞いたんですか?」
帰り道。
卓人さんは、どうしてあそこにいたのか話してくれた。
「ああ、カフェに電話来てさ」
よく見ると、パーカーの下はカフェの白いYシャツ。
エプロンはつけてないけど、黒いパンツに革靴姿。
鞄も何も持ってない。
「それで、凛子は何て?」
「お前が動物園で他の男といい感じになってるけどいいのか?って。それ聞いて、バイト中に店飛び出した。お前が他の男に触られてるって考えただけで、無性に腹が立って…」
嘘…夢みたい。
そんな風に思ってくれてたの?
「でも、この前出掛けるって話してたとき、卓人さん何も言ってくれなかったじゃないですか…」
「すげぇ嫌だったよ…だけど、俺は言える立場にないし。お前の彼氏でもなんでもなかったし」
胸がキュンっと震える。
嬉しかった。
卓人さんが、ヤキモチ焼いて飛び出して来てくれたことが。
それを、少し拗ねたように話す卓人さんが、無性に愛しく感じた。