新撰組~幕末に名をはせる者~





あれから一週間、晴れて私と土方は〝恋人〟となった。




だが…



「おーい、茶持ってこい茶!!!!」




『私はてめぇの女中じゃねぇよ』




「茶」



何を言っても茶しか言わない…



はぁ…しょうがねぇから持ってきてやるよ。




台所へ向かうまでに歩いていると後ろから気配がした。




後ろを振り返ると…




「わぁっ!?なんや、見つかってもうたわ!!どないしましょかっ」




とりあえず、怪しい者かもしれないから首をつかんで部屋まで引き返した。



「なんや、首痛いやないの!離してくれやっ」



ワーワーわめいていたが気にしない。



『土方。ストーカー捕まえた』



「すとー、かー?なんやそりゃぁ。この姉ちゃんおもろいな!土方さん」




「あぁ、そいつはほかっといてもいい。監察方だからな」




土方の言葉に一瞬驚いたような顔をしたが話し始めた。



「そやっ、土方さんに頼まれてあたさんの監察しとったんや。初日から見とったが気付かんかったかいのぉ?」




『私が泣いていた時か?』



「気づいとったんかいな!!あかんがな!!」



「山崎、うるさい。それより、もうこいつは見張らなくていい。自己紹介しろ」



「わいは山崎烝。監察方やっとる。よろしゅう」


『よろしく~』












< 89 / 383 >

この作品をシェア

pagetop