恋愛音痴と草食
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フワフワと意識が漂う。
電車のあの一定したリズムがどうにも睡眠欲を高める。
『寝なよ』
佐倉さんは社内の凛とした感じとは異なる柔らかい声で俺に語りかけた。
ほんとは少しだけ会話したかったけど元々稚拙なコミュニケーション力しか持ち合わせていないし、どうしても眠い。…うっかり取引先で居眠りなんて出来ない。だからありがたく目をつむる。
片側に感じる佐倉さんの感触は俺よりやっぱり丸みがあって柔らかい。何よりいい匂いがした。フワフワとした感じが心地よい。
こうやってあなたの隣にずっといれたら
たぶん、俺は 満足なんだろうな
つらつらそんなことを考えているうちに俺の意識は徐々に途切れた。