お前のすべてを愛してやる【完】
「大丈夫だよ。ほら、この人ここで働いてる人だからね。ねぇ、お兄さん。ごめんね。真琴が怖がってるから、いなくなってもらってもいいですか?」



「え」



これは3人のうちの誰の声でもなく、お化け役のお兄さんから出た言葉だった。



その後、お化け役のお兄さんは、ハッとしてどこかへ消えて行った。



「亜矢乃、あれは営業妨害だろ」



衣月は呆れていた。



「でも、真琴パニックになってたから」



亜矢乃は、真琴の為になるとなぜか強気になれた。



「亜矢乃っ、ありがとう!!」



真琴は亜矢乃に抱き付き、そのまんま離れることなく出口に出た。



「ごめんなさい、藤澤くん…」



出口を出ると、信が不貞腐れていた。



困ったな、わたしが真琴を取っちゃったから…。



「信はガキだな」



「んだと!?」



「謝ってんだろ。亜矢乃泣かせたら…、分かってんだろうな?」



「…チッ。分かったよ。もういい、亜矢乃」



衣月のお陰で許してもらえた。
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