Sympathy For The Angel
「えと…。私はバイクの本です。と言っても写真集なんですけど。司君は昔のバイクと外国人のライダーマニアだから、それにしようかなーって」

「……皆、ちゃんと考えてるんだね」

「勿論です!あと、私……」

「まだ何かあげるの?」

私がそう言うと、熟れたりんごみたいに顔を真っ赤にした真依が、いきなり俯いてしまった。

真依の事だから、手作りケーキとか言い出しそう。それか手編みのマフラーとか?


「真依、超顔真っ赤。ごめん、その先、分かっちゃった。私からはゴムでもプレゼントしてあげるよ」

……は?ゴム?

「やめて下さいよエリカさん!!」

真依は涙目で駄々っ子みたいにエリカをぽかすか叩いている。


これってもしかして……。『プレゼントは、わ・た・し』とか言うパターンか!?


「……そういうコトか。ホント気づかなかったわ。うん、なら私はどこかホテルでも予約しといてあげるよ。代金前払いで」

「椿さんまで!これでも私、凄い緊張してるんですよ!?初めてなのに二人とも酷いですっ!!」

緊張って!!初めてって!!

カミングアウトしちゃったよ、このこ。

ってゆー事はやっぱり司はDT !?

「真依と司って付き合ってどれくらいだっけ?」

「もうすぐ一年になりますよーだ!」

よーだ、って!!

「……あんまり司を待たせちゃ、可哀想だよー?」

と、意地悪エリカ様。


「司ってさー、もしかして意外な草食系?」

と、性悪な私。


「もう知らないです!」

ぷんすか拗ねた真依が、私達を追い越して歩く。

ちょっと弄りすぎたかな?




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