【続】朝の旋律、CHOCOLATE


失礼します、と。

もう帰るのか、私服に着替えた学生くんが、顔を出した。


哲は、今にも泣き出しそうな顔をしているに違いない私を、困ったように一度撫でると。

学生くんの手招きに応じて、病室を出て行った。



哲。
哲、ごめんね。

今日、忙しかったんでしょう?


婿様から、メール来てる。

“いま、哲に急ぎの仕事が来ちゃったから、代わりに俺が行こうかと思ったら怒られた(笑)”

って。


いま、って。
ついさっき来たメールだもん。

絶対、仕事終わってない。


哲は、私に食事が運ばれる時間に来る、って決めているみたい。



哲、哲。

点滴で栄養いれてるから、大丈夫だよ。

私、寂しくないから。

仕事中、わざわざ着替えて来てくれなくていいよ。



ちょっと私、手…掛かりすぎだもん。




< 103 / 422 >

この作品をシェア

pagetop