【続】朝の旋律、CHOCOLATE
失礼します、と。
もう帰るのか、私服に着替えた学生くんが、顔を出した。
哲は、今にも泣き出しそうな顔をしているに違いない私を、困ったように一度撫でると。
学生くんの手招きに応じて、病室を出て行った。
哲。
哲、ごめんね。
今日、忙しかったんでしょう?
婿様から、メール来てる。
“いま、哲に急ぎの仕事が来ちゃったから、代わりに俺が行こうかと思ったら怒られた(笑)”
って。
いま、って。
ついさっき来たメールだもん。
絶対、仕事終わってない。
哲は、私に食事が運ばれる時間に来る、って決めているみたい。
哲、哲。
点滴で栄養いれてるから、大丈夫だよ。
私、寂しくないから。
仕事中、わざわざ着替えて来てくれなくていいよ。
ちょっと私、手…掛かりすぎだもん。