【続】朝の旋律、CHOCOLATE
「哲、哲…哲………」
壁周りを片付ける、と一旦自室に戻った哲のところに行こうと、靴に足を突っ込みながら。
5通目…を、見た。
“今、近くに来てるから出ておいでよ”
開けられ、なかった。
ドアを開けたらそこに、立っていそうで。
指先が冷たくて。
いつでもそばに行ける、隣の部屋の哲との、距離が…遠い。
どうして。
どうして、こんな思い…しなきゃならない、の?
私、何か……したっけ?
「…哲、そのまま部屋にいて」
私は震える指で、哲に電話を掛けた。
見られたくない。
哲が私の部屋に来るところ。
哲は、電話の向こう、薄い壁の向こうで黙り込んで。
…わかった、と。
短く答えた。