【続】朝の旋律、CHOCOLATE
思い切り振り下ろす気だった私の腕は、大幅に勢いを殺がれて。
狭山の頭には、届かなかった。
頭を抱えるように縮こまったまま走り去る、狭山の姿がちらりと視界を掠めたけれど。
私の体を抱きすくめるように押さえ込んだ誰かは、そのまましばらく、私を離さなかった。
「…なん、で邪魔するの!」
逃げちゃったじゃない!!
あいつ、殺っとかないと!!
離してよ!!
「みーつー?」
………あれ?
…この、匂い。
髪の色…が…。
「…何がどうなってこんな狂暴化しちゃってんのョ?」
………真ちゃん?
「……ど、したの?」
「俺の台詞でしょうが?」
私の握った支柱は、真ちゃんにあっさりもぎ取られて。
からんからん、と乾いた音を立てて転がった。
視界の隅で、脱力したような声をあげた婿様と、大きく息を吐き出した哲とが。
崩れるように、へたり込むのが、見えた。
っていうか、真ちゃん…お久しぶりだね?