【続】朝の旋律、CHOCOLATE
仕事中に、事務所ではなく工場にかかって来た、その電話は。
最近弱りがちだった私の心を。
小さな石ころみたいな物に、あっさりと、変えた。
「………哲、の…子供?」
脳の全域が、凍りついた。
真っ白、と言うよりも、冷たい。
そうです、いますか?
代わってもらえます?
って。
知らない、女のひとの、声。
私は、保留のボタンを押して。
私、なにしたんだろう。
こんなに、イヤなことばかり。
「哲、電話」
パニックになる事も、できないなんて。
冷静に、色んなこと、考えちゃうなんて、つらいのに。
「誰?」
「…あ、名前訊いてない」
けど、哲の子のお母さんだってさ。
「……………は?」
「哲の子供の、お母さん」
ちょうど機械の音の隙間を縫うように、はっきりと聞こえてしまった私の声に。
針先のような視線が、集まった。