【続】朝の旋律、CHOCOLATE
呼吸は浅いけれど、思考はハッキリしていた。
シゲちゃんは。
何かを言いかけて、口を閉じ、乱暴に水道から水を出した。
なみなみと水を注がれたコップを、私に差し出す。
「嬢ちゃん」
「…うん?」
私はそれを受け取って。
ひとくち、飲み込んだ。
「………哲は…そんな大事なこと、隠して騙すような男じゃねぇよ」
うん、わかってる。
わかってるよ、シゲちゃん。
やだなぁ、なにそんな真剣な顔してるんですか?
哲が、私を騙すわけ、無いじゃないですか。
ね?
メリットも…ないし。
「………嬢ちゃん」
「大丈夫です、今は仕事しないと」
私、今やりかけたヤツより先にやらなきゃならないの、ありました。
早くしないと、取りに来ちゃう。
取りに、来ちゃうから。
狭山工販の、誰かが。