【続】朝の旋律、CHOCOLATE


なんだ、私、出来るじゃん。

落ち着いて考えること、出来るじゃん。



少し前までは。

哲が私に飽きた時には、どうやって心の整理をつけたらいいんだろう、とか。

そんな時には、絶対泣いちゃうだろうから、今のうちに泣いておこうとか、訳の分からない事を考えていたのに。



いざ、こうやって。
突きつけられたような、事に。


びっくりするくらい、波は立たなかった。


泣く感じでも、ない。
怒りも、湧かない。

ちょっと……びっくりした、だけ。




「……嬢ちゃん……」

「…大丈夫です」



さ、仕事しましょう。


私は、コップをすすいで、カゴに伏せた。

にこり、と。
笑顔を作れた、と、思う。



…だって哲は。
男だもの。

可能性が、無いわけ、ない。



知らなかったん、だよ。
知らなかったん、だから。


仕方ない、じゃない?

私、騙されたりしてないもん。


ね?

シゲちゃん、だから……
………大丈夫…。





< 238 / 422 >

この作品をシェア

pagetop