【続】朝の旋律、CHOCOLATE
蜜、蜜!
違う!
ほんとに知らないんだ!
そんな…仕方、した事ない!
がなり散らす事の多いシゲちゃんが、むっつりと黙り込む、異様な空気。
私が、浅い呼吸で、旋盤を動かす中。
哲は、苛立たしげに電話を切ると、真っ直ぐに私の横に立って弁解を始めた。
「…蜜、ほんとだから!俺の子とか…無い!」
「………哲、わかった、から」
やめて。
まだ仕事中でしょう?
何があっても、もう職場の皆に、心配かけたりしないようにしよう、って決めたばっかりじゃない?
「蜜…!」
「…………仕事、しよ?」
「…蜜」
私は。
無くす為に、哲といたわけじゃない。
大切にする為に、手を取った。
だけど。
その手を取った時には、哲は。
すでに、私じゃない人の、ものだったんだ。
キラちゃんの仔みたいな……
小さくて柔らかくて。
絶対に裏切っちゃいけないもの、の…。