【続】朝の旋律、CHOCOLATE
思えば。
私がこの職に就いたきっかけは、こんなような、事だった。
やりたかった花の仕事。
揺りかごから棺桶まで、なんて言われる業種は、花屋の常客で、上客。
そこの、ひとと、付き合った。
きっかけは、何だったかな。
まだ10代だった私は、大人な彼に呑み込まれるように恋をして。
ある日突然、彼の家族に、怒られたんだ。
柔らかそうな、小さな子を2人連れた、彼の…奥さんに。
びっくり、したっけなぁ…。
私、知らなかったんだ。
知らなかったけど。
その時は、私のショックよりも。
彼の奥さんの連れている小さな子に。
父親の馬鹿なところを見せちゃいけない、と…。
そればかりが気になって。
私を牽制する為だけに連れてきたのならば、この妻も、身勝手なひとだ、と。
…………自分の事は棚に上げて、そう思ったっけ…。