【続】朝の旋律、CHOCOLATE
「きゃーッ!蜜ちゃぁぁん!」
ひいっ!
婿様に先に言われていたのか、婿様の娘さん……婿姫様は。
婿様宅の、広いリビングに顔を出した私を、諸手を上げて歓迎してくれる。
私はありがたいことに何故か彼女に好かれていて。
彼女は、私を買収するかのようにコンビニスイーツを。
蜜ちゃん食べて食べて!と、山積みした。
……リッチな中学生だよね。
…ご両親が稼いだお金で、私に奢るなと…何度言えば…!
「譜面は?」
私は、やや浮上した気持ちで苦笑して、彼女のペアの女の子と挨拶を交わしてから。
前に、雪音ちゃんたちクラリネットさん達が演っていた、“春”の楽譜と、教科書とを、見比べた。
譜面を覗き込んで、不思議そうな顔をする子たちに、クラリネットは移調楽器だとか。
でもこれはB♭管の譜面だからドがシ♭で…なんて、説明したって仕方ないから。
私の決めた16ビート。
電子メトロノームの音を、聴かせて。
指運は覚えてるみたいだから、メトロノームから耳を離さずに吹いてみて?って。
息遣いがストレートに出る、リコーダーの音が合っていくのを聴くのは少し。
楽しかった。