【続】朝の旋律、CHOCOLATE


先に頂いたコーヒーは、なんだか薄い気がした。

色はしっかり濃いのに、風味がないみたいな、感じだった。

婿様には言えないけど。



私は。

婿姫様に貰った、小さなロールケーキとか、プリンとか、個装されたブールドネージュとかを、見るともなしに、眺めていた。




「お待たせ」

「…いえ、ありがとうございます」



綺麗な、コーヒーカップ。

華やかな花柄は、欲しいとは思わないけれど、綺麗だとは、思う。



「熱いから、気をつけて」

「はい」


頂きます、と一応はカップを手に取ったけれど。




「………………これ…」

コーヒー、ですか?




「うん、ブレンドしてあるから、酸っぱくないと思うよ?」



あ、いえ……そうではなくて…。


なんとなく違和感を感じた私は、啜るように、香りを確かめた。




< 249 / 422 >

この作品をシェア

pagetop