【続】朝の旋律、CHOCOLATE
先に頂いたコーヒーは、なんだか薄い気がした。
色はしっかり濃いのに、風味がないみたいな、感じだった。
婿様には言えないけど。
私は。
婿姫様に貰った、小さなロールケーキとか、プリンとか、個装されたブールドネージュとかを、見るともなしに、眺めていた。
「お待たせ」
「…いえ、ありがとうございます」
綺麗な、コーヒーカップ。
華やかな花柄は、欲しいとは思わないけれど、綺麗だとは、思う。
「熱いから、気をつけて」
「はい」
頂きます、と一応はカップを手に取ったけれど。
「………………これ…」
コーヒー、ですか?
「うん、ブレンドしてあるから、酸っぱくないと思うよ?」
あ、いえ……そうではなくて…。
なんとなく違和感を感じた私は、啜るように、香りを確かめた。