【続】朝の旋律、CHOCOLATE
哲は。
絶対に違うから、と。
でも蜜の言うように、ちゃんとしなきゃならない、よな。
絶対に違うけど。
でも、行ってくる。
仕事終わったら、行ってくる。
だから、ここにいて。
頼むから、思い詰めて、離れていかないで。
哲は私を離さないまま、傷痕のある指先を震わせて、それだけが心配、と呟いた。
淡々と仕事を終わらせて。
淡々と、お風呂を済ませる。
哲が身支度するのを、開いたドアの所から、眺めた。
…私は。
自分の信じるように、する。
だって…曲げられないよ。
仕事中に、ちょこちょこ入るCメールは。
もう怒ってないから、心配しなくていいよ、と繰り返す。
許してあげるから、と、繰り返す。
味も香りもしない、コーヒー。
私…味覚無くなってる、と。
ぼんやりと、自覚した。