【続】朝の旋律、CHOCOLATE
本当は、きっと大した話じゃないんだ。
私が勝手にショックを受けて、勝手に落ち込んで。
勝手に思い詰めた、だけ。
最初から、信憑性に欠ける、と思っていたくせに、信じきれなかった。
哲が、というよりも。
可能性が“無い”という事を。
「真ちゃん…私…、ストーカーと結婚しようと思ったの……」
「えぇ?」
「…哲が、私のそばに居られなくなるなら、きっと狭山久志の事を心配すると思ったし…」
哲が誰かと結婚しなきゃならないなら、私…。
いっそ、心配の種と結婚しちゃえば、哲も安心すると……思った。
だってあいつ、大事にしてくれるみたいだし。
「……相変わらず…奇天烈に馬鹿だなぁ…」
「…………」
どうしたわけか、黙っていようと思った事が、口をつく。
ポロポロと、淡々と。
堰を切ったように、溢れ出す。
二段下に立つ、真ちゃんの目を見ながら。
認めたくないけど。
馬鹿だと言われることに。
安心、した。