【続】朝の旋律、CHOCOLATE
私は、何段か階段を駆け下りて。
振り向いた。
「……………」
「…なにョ」
すごく久しぶりに、視界がひらけたような、気がする。
狭山工販の親子に、絡まれ倒されている最中の。
たった一本の電話で、すっかり挫けて狭くなった、私の視界。
数段降りた分、戻った私は。
微かに怪訝そうに首を傾げた真ちゃんの腰に、正面から両手を回した。
「ありがと、ね?」
私、真ちゃんが好きだよ。
哲の次、だけど。
…ゃ…団長の次くらいかな……
シゲちゃんの次かも…?
…ああ!
キラちゃんの次くらいには!
「キラより下かよ!!」
ははっ、こいつマジひでぇ!と、声を上げて笑った真ちゃんは。
もーいいから、早く行け。
哲に見つかったら、俺が殴られんのョ?
なんて。
大仰に、肩を竦めてみせた。