【続】朝の旋律、CHOCOLATE


「ごめ…、だい、じょうぶ」


滲む涙を、指先で拭って、静かに息を整えた。

急に大きく息を吸ったら、また咳込むし。

突き放した、狭山工販の彼が、どんな顔をしたのかは見なかったけれど、私は、学生くんに支えられていた。



「つらそうだなあ…。あんな空気の悪い所で働いてるから、病気になんかなるんだよ」

蜜さんなら、うちの事務とかに使ってあげるよ?

そうだよ、そうしなよ!


なんて。

ひとりで……なに言ってんだコイツ。

冗談じゃない。




「…私、今の仕事、好きですから」

「え、だって、あんな真っ黒になってさ、女の子がする仕事じゃないよ」



…それは、確かにそうなんだけど。
大きなお世話ってもんよね。



「退院したら、うちに来れるように、親父に頼んでおくよ」

どうせ、これから俺たち、長い付き合いになるんだし。





……………え?
…なに?

なにが、起きてる…?



< 97 / 422 >

この作品をシェア

pagetop