静かな涙【完】
『会いたい』





『会いたいよぅ・・』




ポケットからキーホルダーの箱を取り出し、握りしめて泣いた。




ポツポツと熱い雫が包み紙を湿らせていく・・・






シンシンとこんな時に限って、ホワイトクリスマス。







--コトッ







ベンチの上に誰にも貰い手のない箱を置いた。







『さよなら・・』








キーホルダーに言ったのか、浩司に言ったのかは解らない。






そう言って、私はそこから立ち去った。
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