椿山亜季人の苦難日記
つくづく、難儀な女だ。


ケーキ作ったくらいで、あそこまで男を混乱させるとはね。





廊下に残された箱を持って、屋上に向かった。


授業とか、それよりあそこに行かなきゃいけない気がした。


ただ、俺が独りでいたかったから、

それから、きっと、


『傷ついたら、ここに来る』って、少しだけ期待した。




…また、じわぁっとする。










屋上で、貯水タンクの上に登って、ケーキの箱を開けた。


…形、悪。生クリームをすくって舐めてみた。


「…全然甘くないんだけど。」


ああ、なるほど、

「甘さひかえめか…。」



そりゃ、甘党の俺にとっちゃ、甘くないね。


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