椿山亜季人の苦難日記
家に帰ると、学校から連絡を受けていたらしく、両親は揃って家に居た。


エリートコースを辿って来た父と、お嬢様育ちの母。温かい家庭、それに不満などなくて、ただ心配だった。

世間で言うところの、『モラルに反する行動』をとった娘に、育ちの良い両親がどれほど頭を抱えるか…。




その日の夜、両親は何も言わなかった。

おそらくは、ショックと、情けなさと、

それから、付き添ってくれた島田先生の言葉のせい。


< 82 / 169 >

この作品をシェア

pagetop