空の下の約束
「へっ?ごめんねって…謝るもんなの?」


「だって僕は君の主治医だよ。それなのに来なかったんだから謝るでしょう?」


「あっ、そうね…じゃ、許さない!主治医のくせに!」


「えーぇ!?ちょっと待ってよ!それはないよ」


身振り手振りで焦ってるのを表現する先生。


「アハハハハ、冗談だよ。アハハハハ」


隣で思い切りため息をつく先生を横目に、悪いと思いつつ笑いが止まらなかった。


「これでも気が小さいんだよ、僕。あまり虐めないでね」


そう言いながらにっこりと笑う。


「そうそう、体調なんだけど、本当に大丈夫かな?」


「今は本当に元気。心身ともにスッキリしててあんなに怠かったのが嘘のようだよ」


その答えに満足そうに手元にあるカルテをみていた。


「そっかぁ、じゃ問題ないかなぁ。このままいけば予定通りに退院できるよ」


その言葉で一気にテンションがあがる。


「本当?!よかったぁ。もう退屈だったから…」


「そうかぁ、でも、退院してもきちんと受診にはくること!いい?」


「O.K 後三日おとなしくしてます」


私の返事を聞いた先生はまた来るねと言い残して病室をでていった。


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