湊くんの秘密。



普通の湊くんが戻って来てくれたみたいで、嬉しくなった。



無意識のうちに、湊くんに手を伸ばして首に腕を絡ませる。



「大翔様も好きだけど…あたしは湊くんがいい…」



湊くんの作ってない声が。

雑誌の中では見られない素の湊くんの笑顔が。



「大翔様も、執事キャラも好きだけど、ドキドキするけど…っ。

あたしに見せてくれる素の湊くんが好き…」



さっき湊くんがしてくれた告白の返事。

今、ちゃんと伝えたからね。



湊くんが今どんな顔してるかわかんないけど、喜んでくれたらいいな。



「……だから俺、Sになりきれないんだよなぁ。

男として引っ張っていきたいけど、蘭ちゃんの後ろをついて行くのが好きなんだよ、きっと」



ふわりとあたしの頭に手がのって、そのまま撫でられる。



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