恋愛ターミナル
――あのときのことは、初めて聞く。
告白は、ものすごく短い言葉だった。ひとこと、「つきあってください」って。
ああ、そうか。同じだ。告白(あ)のときも、今みたいに真剣な目をしてた。
その綺麗で惹きつける目に、迷わず返事をしてしまいそうになったくらい。
ただ、今の徹平はあの頃よりも大人になってて、男の人になったから。だから初めてのことのように、こんなにドキドキと心臓がうるさいんだ。
「気付いたら、ここにいた凛々に向かって走り出してた」
あのとき、まさかこんなに徹平に夢中にさせられるなんて、思ってもみなかったけど。
今の私には、絶対不可欠な存在になってる。
『そんなに結婚したいなら、結婚できる近道を選べばいいじゃない』
そう昨日梓に言われた。
最初はその言葉を、“杉中さんを選ぶ”っていう解釈しかしてなかったけど――。
別に徹平からのプロポーズを待たなくったって、自分からしちゃえばいいんじゃない?
それが一番に望む未来への近道になるんじゃない? そう気付いたから。
「……私は、そのときよりも徹平が好き。今日よりきっと、明日の方がもっと好きになってる」
単純に考えたらそうでしょ? 毎日徹平を想って、知って、気持ちはきっと増えていく。
私の脈絡もない告白に、きょとんとした顔をしたあと、「ぷっ」と堪え切れずに吹き出した。
「ははっ! それ、いいね」
「いや、『いい』とかそういうこと言われても……」
「きっと、おれも。だから凛々をあきらめられないし。凛々がおれにむかついても、幻滅して愛想尽かしても。おれはかっこ悪くても凛々にすがりつくよ」
「……は? 徹平が私に飽きて、別の子と遊びたかったんでしょ?」
「……それ、本気で言ってんの?」
いつもの無邪気な徹平に戻ったかと思えば、すぐに“男”の徹平になって私を射るような目を向ける。