恋愛ターミナル

「誤解だけされたくないから、言いますけど! 徹平(あいつ)はただ自分の彼女を迎えに来ただけの同級生ですから!
それと、『もう関わらない』って言ったの忘れました? あれは、『関わらないで』っていうのと同じ意味を持つんですけど」
「じゃあ、俺に『迷惑かけない』っつーのはどんな意味で言ったんだ?」


私の冷たい対応にものともせず、やっぱり直球な平岡さんは怯むことなくそう聞いてきた。


こういうタイプって、遠回しに言ったところで納得しないし、話が終わらないのよね。
だったらもう、正直にいってやるわよ。
凛々にばっか、「正直になったら」なんて言ってたら、そのうち挙げ足とられそうだし。

口にすることで……相手に伝えることで、未来の私が少しでも変わるなら。


「……今まで、こんなことしたことないから、これで合ってるのかわかんないけど」


そう唐突に前置きをした私を、拍子抜けしたような顔で見てる。


きっと、わけわかんない答えが返ってきたからそんな顔してるんでしょ。
でも、わざわざここまで来た平岡さんだって、充分私にはわけわかんない行動だけどね。


「――私、平岡さんが好きになったみたい。自分を一番に見てほしいって思うくらい」


なにこれ。案外ドキドキするものなんだ。
自分の気持ちをそのまま言葉にするだけなのに、そこにいる相手が“大切な人”だと、こんなに緊張する。

胸の高さで手を握り、勢いづけてそのまま言った。


「だから、離れたいんです」


もう、わかるよね?
だって、「一番」なんて無理だって、平岡さん自身が即答出来るでしょう?




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