恋愛ターミナル
「なに? じゃあ、俺が妻子持ちだと思っての『迷惑かけない』ってやつ?」
「う……」
100%、当たって砕けると思ってたから。
だから、捨て身の告白が出来たのに、まさかこんな大逆転があるなんて予想してないし!
詰め寄られてなにも言えない私を、ほんと子供のようにじりじりと追い詰めて、すごく楽しそうな目をしてる。
「で、俺の一番になりたいっつーのはほんと?」
「――――」
前置きしたくらいの、私のハジメテの告白。
それを蒸し返されると、いくら私でもものすごく恥ずかしい。
こんな羞恥プレイいや!
「もっ、もうやめて! それ以上言わないで!!」
咄嗟に自分の耳を両手で覆うと、その両腕を大きな手でがっしりと拘束された。
伏せていた瞼を開け、上目で見ると、少年のような狼が私の瞳に映しだされる。
「いまさら、『ウソでした』っつっても、もー遅いけど」
そうして平岡さんは、初めからあの夜よりも激しいキスを降らせる。
両手を壁に押しつけられて、感情の赴くまま――。
わかりやすいほどに、平岡さんの気持ちが態度に表れているのが安心する。
探るような関係は疲れるし、相手(私)に隠し事もさせないような力を持つ彼は、一緒にいて、本当に安らぎを与えてくれるとさえ思う。
貪るようなキスを繰り返していたと思えば、急に唇を離して手が解放される。
平岡さんは、ジーンズのポケットから携帯を取り出して言った。
「邪魔、されたくねぇ」
電源を落とした携帯を靴箱の上に放ると、私の髪に温かい手を挿し込む。そして片方の手で顎をクイッと持ち上げられると、親指で下唇に触れる。
半開きになった無防備な私の唇に、まるでごちそうに飛びつく獣のように襲って来た。
時折肌に触れる、伸び掛けのヒゲがチクチクと違う刺激を与えて来て。
もう全神経で、唇を重ねることに集中させる。
ドレープのシャツは容易く脱がされて、パステルブルーの下着が露わになった。