恋愛ターミナル
「あ……忙しくない、ですか?」
苦し紛れのひとこと。
でも、この答えを聞くまでの間、不思議な気持ちになってることに気付いた。
緊張はするけど、晃平さんに料理を教えてもらうのは嫌じゃない。むしろ、断られたらちょっと……残念。
つい二日前までにはなかった感情が自分の中に芽生え始めてる、きっと。
「金曜日、オレ休みだから、亜美ちゃんの仕事終わってからにしようか?」
この小さな感情の変化に、一瞬、単純に喜びかけた――けど、すぐに余計なことまで考えて困惑する。
このまま、晃平さんを好きになっちゃったら。
都合よすぎないかな……しかも、親友の旦那さんの友達って……うまくいかなかったらこの先やりづらくないかな。
それに、晃平さんには、裕貴さんが好きだったことまで知られてるのに、急に『あなたが好きになりました』なんて、ドン引きするんじゃない……?
だけど、今この誘いを断ることが出来ないくらいに、新しい恋に歩きだしてる心。
「だ、大丈夫……です」
思わず目の前の誘惑に勝てない――デザートのように、私は目の前の晃平さんを突き放すことが出来なかった。