恋愛ターミナル
【あと5分くらいで着くと思う】
晃平さんからのメールに、どんよりしていた気持ちが一気に跳ね上がった。
――やっぱり、誰かを好きになるってパワーが出る。
こんなふうにドキドキとして、暗い気持ちも忘れさせてくれるってことは……やっぱり、好きだからだ。
結末までは考えられない。
でも、今は久しぶりのこの恋に没頭してみたい。
【気をつけて。待ってます】と返事をしたあと、無駄に部屋の中をうろうろしていた。
すぐにチャイムがなり、玄関をあけると買い物袋を手に提げた晃平さんがやってきた。
「こんばんは。時間、早くなかった?」
「あ、大丈夫です。ちょうどよかったくらいで……あの、どうぞ」
“好き”と分かってから、いざ晃平さんを前にするとやっぱり舞い上がる。
照れと緊張を隠すために、意味不明な身振りで部屋に招き入れると、くすくすと笑って「おじゃまします」と私の住処に晃平さんが足を踏み入れた。
「なんか亜美ちゃんらしい綺麗な部屋だね」
「えっそうですか? なんか恥ずかしいです……」
「うん。あ、ごめん。あまり時間ないかと思って、勝手に材料買ってきちゃったけど」
「あ、逆にすみません。いくらでしたか?」
「いいよ。場所借りるから、それでおあいこ。ちょっと冷蔵庫借りてもいい?」
レジ袋を持ち上げてニコリと笑う。
スーパーのレジ袋を持っててもかっこいい、と思うのは惚れた弱みってやつ?
シンプルな白いシャツからのぞく腕が、意外にも筋肉質だったとか、そんなことでいちいちドキッとしてしまう。