恋愛ターミナル
「え? ああ、そっか。ごめん。じゃあ、数量直しておいて。ありがとう。また明日」
「また明日」って言った。
ていうことは、職場の人? だよね……。さっき「数量」がどうのとか言ってたし、業務上の連絡かな。それとも――。
「ごめんね」
「いっいえ!」
手を止めたまま、思いっきり晃平さんを見ていた私って、完璧不自然!
あわあわとしながら、慌てて残りのケーキを口にしたはいいけど、喉に詰まらせてむせてしまった。
「ごほっごほっ……」
「だ、大丈夫? はい、お茶」
「す、すみません……」
ごくごくと一気に喉の奥に流し込んで、息をつく。
やっぱり私って恥ずかしいところしか見せられないのかも……。
自分の失態にいてもたってもいられなくて、またごまかすようにぺらぺらと話題を上げた。
「あ、お仕事ですか? 大変ですね、お休みのときまで。私なんか休みは能天気に過ごしてますよ」
だけど、晃平さんの顔は見ることが出来なくて、目を少し伏せたまま。
「いや。大した内容じゃないし。呼び出されることもほとんどないし、オレも休みは能天気に過ごしてるよ」
休みの日――……なにしてるのかな。
今日ここにきてくれてるってことは、やっぱり今はフリーなんだよね?
あ、でも、ここに来る前までは丸一日時間あったようなものだし、誰かとデートするのには十分だったかな。
ていうか、私……晃平さんを好きになっちゃったらいろいろと頭を悩ますことがあるって思ってるくせに思い切り意識しちゃってるし。
まったく、どうしてこうも、自分の心なのにコントロールがきかないんだろう。