恋愛ターミナル


『え? ただゴハン作って食べて帰った? うそでしょ?』


翌日。土日は基本的に休みの凛々に懲りずに電話をした。
切なくて苦しくて悲しくて……自分の中だけに、やっぱり留めておくことが出来なくて。


「……本当」
『……』


明るくて、なんでも前向きな凛々さえ、言葉が出ずにいるみたいだった。


「あは、いや、だってねぇ? もしなんかあったなら、もうとっくにそうなってるよ! 出逢ったのなんて結構前なんだし」


自分の言葉に少し傷つきながらも、その言葉で気持ちを整理させようとする。


『でも、明日も会うんでしょ?』
「……明日が最後だよ、きっと」


だって聞いちゃったもん。「役目は終わり」って。
明日、一緒にご飯を食べて、そうしたらもう、こんなふうに二人で会うことなくなるんだ。

ベッドに座って、昨日晃平さんがいたキッチンを眺める。
あそこに並んで立ってただなんて、まるで夢のよう。


『……言わないの?』
「……なにを」
『しらばっくれて! 気持ちよ、気持ち! 告白しないの?!』
「……自信、ないから」


自分の気持ちには自信がある。私は、晃平さんを好きになった、って。
でも、その想いが通じる自信は――ゼロ。

それなら、気まずくなるよりこのまま――――……。


『亜美! あのねぇ! 告白するのに自信ある、なんてやつはほとんどいないのよ!』


耳元で凛々が熱くなって、大きな声を出した。
でも、どんなにフォローされても、背中を押されても、晃平さんの気持ちはそれで変わるわけじゃないもん。


『傷つきたくないから、って、なにもしなかったらいつまで経っても変わんないよ』
「……だって、やっぱり傷つきたくはないもん」
『結婚したくないの?!』



< 40 / 170 >

この作品をシェア

pagetop