恋愛ターミナル
「い……いずみ! 裕貴さん!」
「わぁ! すごい偶然! なに? 一人?」
笑顔で私に寄って来るいずみに、なんだか気が抜けた。
そして、私たちの偶然の再会を眺めてる裕貴さんを見て思った。
ああ。私、裕貴さんを見ても、もう胸が痛まない。
ちゃんと吹っ切れてたことに、なんだか心がほっと温かくなった。
「ふ、二人こそ、買い物?」
「うん。ほら、日用雑貨とかみたくって。でもこれからご飯にしようかと思って! よかったら亜美も一緒にどう? ね、裕くん」
「ああ。そうそう。ここのレストラン街にね、晃平が――――」
そこまで言いかけた裕貴さんが、驚いた目をして私といずみの奥を見て止まった。
いずみと顔を合わせて、お互いに不思議そうな顔で首を傾げる。
「裕貴。悪いけどオレ、もう上がったんだ。んで、メシも悪いけどまた今度にして」
真後ろから降って来た声に、心臓が止まるかと思ったほど驚いた。
その声は、振り向かなくったってわかる。
「え?! 晃平くん!」
振り返ったいずみが、私の予想通りの人の名前を口にする。
逃げて来てしまった気まずい思いから、晃平さんを見ることが出来ない。
かと言って、いずみや裕貴さんの前で、また逃げることも出来なくて、居た堪れない想いでそこに立っていた。
「行こう」
ひとことだけ、晃平さんは言ったあと、私の手を握った。