恋愛ターミナル
「オレは、やっぱり好きなコと愛し合いたい」
ドクドクと心臓が早鐘を打つ。
こんなに早い展開って、アリなの……?
凛々や梓も、毎回こんなふうにすぐ愛し合う?
私の言葉を待っているのか、晃平さんは近い距離を保ったまま黙ってる。
目の前にある晃平さんの顔を見ると、ますます胸はきゅうっと締めつけられた。
――――だめ。
もうこんなに好きになっちゃってるもん。
こんなに近くにいるんだもん。
私の体を覆うようについた手が、腕が、膝が、私に少しでも触れていると思うだけでドキドキとする。
もっと、触れられたい。
もっと、晃平さんに触れたい。
この気持ち、抑えるほどの理性は私にはない。
「――――」
自分の気持ちはもう決まったけど、経験もほとんどない私には、どんな言葉でどんなふうに言えば、もっと私を見てくれるのかなんてわかんない。
だから、今の自分の精一杯。
なにも言わず、ただ、自分の手を伸ばして、晃平さんの背にまわすと彼を引き寄せた。
突然私に引っ張られた晃平さんは、予期できなかったみたいで、バランスを崩した。
晃平さんの顔が真横に来ると、さらさらとした彼の髪が私の頬をくすぐった。
そして、晃平さんは顔を埋めたままかと思ったら、急に私の耳元で囁く。
「そういう可愛いことすると、ヤバイよ?」