恋愛ターミナル
低い声でゾクゾクとしたかと思えば、ぺロリと耳を舐められて力が抜ける。
耳朶を甘噛みされたり、耳裏を唇でなぞられたりすると、そのまま首筋を辿って鎖骨に口付けられる。
左手で体を支え、空いた右手は私の服の中にするりと侵入する。
捲られた裾から外気に触れた肌がゾワリとさせると、晃平さんの大きな手が胸を包み、一瞬で熱くなる。
ずらされた下着から覗く肌を唇が這ってまわると、私は思わず声を上げそうになって、自分の指を咥えた。
甘い眩暈を感じている私に、さらなる快感が襲ってくる。
滅多に履かないスカートは、彼の手を容易く招き入れてしまう。
「ん、あぁっ……」
指に侵され始めた瞬間に、抑えていたはずの口から淫靡な声が部屋に響く。
静かな部屋に聞こえた声が、自分の出したもののはずなのに、そうじゃなく思えて耳を塞ぎたくなった。
私は耳を塞ぐ代わりに、もう一度、自分の指で声を抑えた。
それに気付いた晃平さんが、その指を軽く噛んでそこから離した。
「声、恥ずかしいの?」
ずっと体の中の刺激は与えられたまま、私はそれに耐えながら、目を閉じてコクコクと頷いた。
自分の声が引き金にもなって、今以上に淫らになっちゃいそうだもん。
ただでさえ、自分の体を見られるのが恥ずかしいのに――。