恋愛ターミナル

「これ、内緒だよ? 亜美はね。なんか、長く一緒にいるだけ、二人の絆が強そう、とかそんな感じのこと言ってた」


私が心でいいわけのオンパレードを呟いていると、口元に人差指をあてた晃平さんが言った。

絆? そんなもの、あるのかな? 考えたことないよ、そんなこと。
ただ毎日過ぎて行って、一緒に生活してるだけで。


「……自分ではよくわかりません」
「……そういうのって、ただ一緒にいるだけでそうなるものじゃなくてさ。やっぱ、いろんなことあって、乗り越えたときに深まるものだよね」


ああ。きっと、今の状況の私を慰めてくれてるのかな。
だけど、誰かが自分たちをそんなふうに羨んでくれるのは、ちょっぴり嬉しい。


「……だといいんですけどね」
「うん。あ、じゃ、オレ戻るね。ごゆっくり」


長い足で颯爽と戻る後ろ姿を見て、やっぱりちょっと亜美が羨ましくなった。

オーダーを伝えてから、料理が運ばれてきてそれを頬張る。
なんかすごく温かくて、上手く言えないけどとにかく優しい味で美味しかった。



デザートもそろそろ食べ終える頃に、テーブルの上に置いてあった携帯が鳴った。


「……はい」


ぶっきらぼうに応答した私に、気付かないくらいテンションの高い徹平。




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