恋愛ターミナル


しん、と静かなリビング。ソファで横になり、気付いたら夕陽が壁を染めていた。


「4時半か……」


部屋を見てみるけど、帰ってきた形跡はなし。

あれからずっと電源は切って、徹平を避けてるのは私の方だけど。
でも、普通そのまま遊べる? 私のことが気になって、友達と居ても楽しめないんじゃないの?


「もう、や……」


こんな私の行動に動じないと、自分が悪く感じてしまう。
自分のしたことに自己嫌悪して、でも、謝る余裕もなくて。

大体、やっぱり悪いのは私じゃないと思うし、それ考えるとずっともやもやしたまま。


そのまま目を瞑ってぐるぐると考え続けていたら、いつの間にか起きたばかりだというのにまた眠っていた。


「……り……」


あれ。なんだろう。なんか懐かしい感じ。
もしかして、呼ばれてるの、私? それに、ここ、高校じゃない。
校舎沿いにある緑のフェンス。その奥のグラウンドでサッカーしてる生徒。

あ。あれ、徹平ぽい。
しかも、こっちに近づいてくる。


「凛々」
「へっ?!」


ぱちっと目を開けた視界に入ったのは、グレーのパーカーの徹平。
私の頭を撫でていた手を降ろし、ちょっと、しゅんとした顔をして私の横に正座してる。


「ずっと寝てたの? 電話とメールしたけど……夜メシは?」
「ん、そうみたい。なにも食べてないや……」


まだ夢の映像がぼんやりと残っていて、目を閉じながらそれを反芻していた。
懐かしかったな……自分の視界だったから、ちらっとしか見えなかったけど、私も制服着てたっぽい。



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