恋愛ターミナル
「急でびっくりさせたけど、本気。ちょっと考えてみて」
杉中さんはどうやら本気。
そこまで言われてしまうと、揺らぐ気持ちの今の私には答えることが出来なくて。
「家まで送ろうか?」
家まで送って貰うことなんてできない。徹平の家でもあるから……。
私もこのまま、徹平に会うなんて出来ない。
「……いえ。今日はこれから友達のところにいくので」
「……そう。じゃあ気をつけて。あ、これ名刺あげるから。返事待ってるよ」
咄嗟に吐いたウソ。それに気づいたかどうかわかんないけど、今日はこのまま引き下がってくれるみたいで胸を撫で下ろした。
杉中さんと別れてから、携帯を取り出して考える。
――誰か、こんな突然でも泊めてくれる人。
いずみは新婚。亜美は付き合ったばかりの彼氏がいるし、きっと夜は一緒かも。それに今ノロケを聞くのも見るのもきつい。
と、なると……。
私は耳元でコール音を聞きながら、どう切り出そうか頭を働かせていた。
『はい?』
「あ、梓っ……その、今日徹平がむかついて、プロポーズみたいなのもされちゃって、いずみと亜美は彼がいるから、今晩、泊めて?」
でもいざ電話が繋がると、うまい言い訳が出てこなくって、結局支離滅裂なことを口にしていた。
はっ。今思い出したけど、梓と亜美一緒にいるんじゃなかったっけ?! じゃーまだ帰れないじゃん! もう合流しちゃうとか?
「あ! 亜美といるんだっけ? じゃー私も今から」
『もう別れて今家着いたとこ。なに? 帰りたくないの?』
「う……や、その、帰りたくないっていうか……」
『ああ。いい。あとでゆっくり聞かされることになりそうだし。好きにしたら?』
「あ、ありがとう!!」
持つべきものは友達よね!!
私は一刻も早く梓の家に行きたくて、小走りで向かった。