恋愛ターミナル
結婚への近道。
考えたこともなかった。それに、そんな道、いままで現れなかったから。
だって、将来子供も欲しい、って考えたら、女の私にはリミットがあるのよ。
そういうことも知ってしまうと、焦っちゃうのは仕方ないじゃない。
「凛々がそのプライド捨てたら案外簡単にいくのかもよ?」
「……その勇気がなかなか出ない」
「はは。まぁ女にプロポーズさせる、とか、徹平も一生腰ぬけ呼ばわり決定ね」
ビールの缶を揺すって、梓が冗談半分に言う。
でも、梓の言うことが図星で胸が苦しかった。
私って、『徹平にして欲しい』ばかりで、受け身なんだ。
肝心な私の気持ちも口にしないで、『気付いてほしい』っていうのも難しい話よね。
なのに、ほんと、意地になっちゃって。
徹平からの言葉をイライラしながら待つだけなんて、お子様だ。
「私も、梓みたいに大人ならいいのに……」
ぽつりと漏らしたその言葉に、梓は静かに笑うだけ。
なんとなく、自分のすべきことが見えてきたけど、最後の勇気が今は出ない。
明日の自分に委ねてみよう。そう思って、着信のない携帯を抱いて寝てしまった。