【続】クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
「でっ、では、失礼します!」
「ぶはっ。どんなだよ」
山田くんが至近距離で笑うから、ただでさえ手が震えるくらいに達していた緊張が、さらに拍車を掛けられて大きくなってしまう。
一歩、山田くんに歩み寄り、伏し目がちなそのビューティフルフェイスを視界に入れないようにマフラーを巻いていく。
だって、一度でも目に入ったら、そのときはあたし心臓発作で病院行きですからね。
終始緊張と恥ずかしさに包まれ、やっとの思いでマフラーを巻き終ると、そっと山田くんから離れる。
「はい、巻けました」
「……ありがとう」
体勢を戻した山田くんを見上げた瞬間、あたしは心臓がドゴンッ!て音を立てて高く高く飛び跳ねた。
……や、山田くん、似合いすぎです……。
目前に立つ男の子が、もうこの世の者とは思えない。
後光が差して、周りはキラキラと光っている。
そんな幻覚を見てしまうほど、山田くんがカッコよくて本当に死ぬかと思った。