【続】クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
「……!」
「……えへっ」
背伸びして山田くんの頬にキス。
不意をつかれたからか、真っ赤な顔で肩をすぼめて笑ってみせるあたしを、山田くんは呆然と見つめてくる。
今日のあたしは、どうやら普段よりもだいぶ大胆みたいだ。
と、あたしを見つめていた山田くんの表情が険しくなる。
眉間にシワを寄せて、怪訝な顔。
どうしたんだろう?なんて、小首を傾げたあたしの横髪が、山田くんによって耳にかけられる。
髪で隠れていた耳が見えて、なんだかちょっと恥ずかしい。
不思議な空気が流れるなか、山田くんの目が大きく見張られて。
「……あのさ、柚希って」
「うん?」
「……もしかして、ピアスの穴空いてない?」
「……あっ。」
……そ、そうだ。そう言われればそうだ!
あたし、ピアス空けてないんだった!!
イヤリングはするけど。ピアスは未経験ゾーン。
学校にもちっちゃいイヤリングとかして行ってたしな……。
ピアスの穴が空いてると勘違いしてしまっても、ムリはない。
あたしの反応に全てを悟ったのか、山田くんの眉間のシワはさらに深くなり。
盛大なため息を吐くと、その場にしゃがみ込んでしまった。