【続】クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
「やっ、山田くん今のは……っ」
「…………」
「……っ?山田くん?」
「…………」
「……?」
「……はぁ。今の忘れて」
え。
それだけ言うと、山田くんは体を離して立ち上がってしまった。
え。え。え。
「それはないぜ旦那ぁっ!」
安っぽいドラマのワンシーンのように泣いてすがり付こうかと試みたが、あっさり交わされたので柚希さんは寂しくなりました、まる。
けど、あたしを見下ろす山田くんの顔がほんのり赤くて。
照れてるだけなんだって、あたしはやっぱり笑う。
「……けほっ、ごほっ」
「え?山田くん風邪?」
立ち上がり再び歩き出したとき、隣を歩く山田くんが軽く咳き込んだ。
心配になり顔を覗き込むと、少し苦しそうに眉をしかめる。
「……いや、大丈夫」
「そう?……あ、もし風邪引いたら、あたしが付きっきりで看病してあげる♪なーんて……」
「ダメ」
「即答!?」
「……移すから、ダメ」
「キュンッ」
「……え、なに」
「胸のトキメキが、もうどーにも止・ま・ら・な・いっ♪」
「…………」
「さーせんっした!!」