月の満ち欠け
  この時峻哉は何故かこのまま少女と別れるのが惜しいと思った。




  だから咄嗟に
「あっ、き・君。僕また此処でこうして君と会って今の話の続きを聞きたいし、もし良かったら連絡先を教えて欲しいんだけれど」
  と言ってみた。




  すると
「私の事はあなたのお母さまが良く知ってらっしゃるわ」
  と言った。




「えっ?!君の事を僕の母が?どうして知っているの?!」
  と峻哉は訳が解らずに問い返した。




「ごめん。私急ぐの。じゃあね」
  と美月は白いワンピースの裾を翻し颯爽と月明かりの中を走って行ってしまった。
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