飛ばない蝶は、花束の中に


「日焼け、大丈夫?」


“雅”が自分の首の後ろを指差した。
痛むようなら、冷やした方が…、と口ごもる。



「さっきは……ごめんなさい…鷹野さんたら…」


歯切れは、悪い。

私が何も言わないからなのか、中に嫉妬が混じっているからなのか。


自分の彼氏が、他の女のワンピースに手を掛けた、なんて、普通なら怒るし、嫉妬する。




「………深雪ちゃんの肌が白いから…鷹野さん心配しただけですから…」

他意はない、から大丈夫、と呟くように口にした“雅”に、違和感とイライラとが、付きまとう。




「他意…あったかも知れないじゃない?」


確かに、“タカノ”は別に、いやらしい目で私を見たわけでは無いだろうけど。

そんな事は、わかるけれど。


それはそれで、プライドが傷つく。




私は、何かが食い違っている事を感じてはいたけれど、高飛車に、そっぽを向いた。



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