飛ばない蝶は、花束の中に
“雅”も、何かが食い違っていることに気が付いたのか、私を見つめて、あれ?とばかりに首を傾けた。
「…ええっと………」
すでに腕いっぱいに抱えているのは、植物の本と、料理の本。
「…嫌じゃ……なかったなら…いいんだけど」
「嫌だったに決まってるじゃない」
「………………」
イライラする。
どうして。
どうしてこんなにも、はっきりしないの?
俯くでもなく、不快感を露わにするでもなく。
「それより」
気になってる事が、ある。
“雅”は僅かに不安そうに眉をひそめたけれど。
早いうちに、訊いておきたい。
「あんた、“タカノ”の彼女なんでしょう?お兄ちゃん、そう言ってた」
ならばどうして。
「どうして、お兄ちゃんを目で追うの?」
ぴくりと。
“雅”の目が、揺れた。