飛ばない蝶は、花束の中に
どういう意味だと、訊いた気がする。
だって、凱司さんを…お兄さんを、好きなんでしょう?って。
そう、“雅”は答えた気がする。
あたし達、ちょうど、好きな人と寝たくなるような年頃でしょう?なんて。
“雅”はその、可愛らしい人形のような顔で、あけすけなく淡々と。
飛び込み方間違えると、きっとつらいから。
好きだから、ってだけで飛び込んだら、きっと。
「………そんなの…」
遮るように出したつもりの私の声は、びっくりするくらい震えていて。
怒りなのか、嫉妬なのか。
なんだか解らないけど、目の前の“雅”が、とても。
怖い、と。
人形のように愛らしい“雅”が、怖い、と。
そう、感じた。