飛ばない蝶は、花束の中に


どういう意味だと、訊いた気がする。


だって、凱司さんを…お兄さんを、好きなんでしょう?って。

そう、“雅”は答えた気がする。



あたし達、ちょうど、好きな人と寝たくなるような年頃でしょう?なんて。

“雅”はその、可愛らしい人形のような顔で、あけすけなく淡々と。




飛び込み方間違えると、きっとつらいから。

好きだから、ってだけで飛び込んだら、きっと。





「………そんなの…」


遮るように出したつもりの私の声は、びっくりするくらい震えていて。


怒りなのか、嫉妬なのか。


なんだか解らないけど、目の前の“雅”が、とても。


怖い、と。

人形のように愛らしい“雅”が、怖い、と。


そう、感じた。




< 116 / 328 >

この作品をシェア

pagetop