飛ばない蝶は、花束の中に
何を言ったらいいのか解らない私を覗き込んで、雅はマシュマロをひとつ、浮かべた。
「不安、ですか…?」
ぽつり、と訊かれても。
私は頷けもしない。
「……あたし、考えたんです」
深雪ちゃんの好きなのは、お兄さんだけど、本当に恋なんだとしても、しなかったとしても、あたしの存在がすごく嫌だろうな、って。
「…気になって気になって…せっかく来たのに、あたしがいるせいで」
深雪ちゃんにも、凱司さんにもあたし…ちょっと邪魔ですよねぇ…と。
唇に指を当てて思案する雅を、穴が開くほどに、見つめていた気がする。
「あんた、さ………」
だけど、私が考えていたのはちょっと違うこと。
「今の状態、つらくないの?」
イヤじゃないの?
私が来た事じゃなくて。
そう訊いた私に雅は。
どうして? と。
きょとんとした顔をしたのに、やけに大人びた表情で、ココアの湯気を、ふ、と吹いた。