飛ばない蝶は、花束の中に


「だって…お兄ちゃんに…」


ちくり、どころじゃない痛み方をした私の心は。

目の前で、真面目に耳を傾ける雅の裸体を、まざまざと想像させる。



「…彼女にして貰えない…のに一緒にいるのは…つら…く…」


「彼女!?」



つらくないのか、と訊こうとした私の声を遮るように、雅は声をあげた。



「かっ…かかか…」




…………なに…この子。
そんなにびっくりするようなことを言ったかしら私。


大人びた表情から一変、急に目を泳がせてオロオロしだした雅を引いた目で見やり、私もココアにマシュマロを浮かべた。




「彼女だなんて!」


そんな!!
考えた事もなかっ…た!

凱司さんは、そんなんじゃないです!




と、どうしてか憤慨した雅を、私はますます理解できなく、なった。



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