飛ばない蝶は、花束の中に
「ありがとうございます…えと……おやすみなさい?」
「……………」
「……あの…」
「ああ、うん…おやすみ雅ちゃん」
取り上げるように雅の体を絡め取り、額にキスをした“タカノ”を、私は押しのけた。
思い切り嫌そうに私を見やった“タカノ”は、今度こそはっきりと。
不機嫌も露わに、再び雅に手を伸ばしたもんだから。
「おやすみなさい!…女の子の部屋にいつまでも居ないでくれる!?」
こちらは、敵意を露わにして、睨みつけた。
雅は、オロオロと。
私と“タカノ”とを交互に見上げ、困ったような、どころではない泣き出しそうな顔で。
でも僅かに楽しそうな目で。
両手を“タカノ”に差し伸べた。
「また…明日、ね?」
きゅ、と抱きついた雅が、 にこりと笑む。